☕産地ごとの味の違い、実際どう違う? 〜エチオピア・コロンビア・インドネシアをやさしく比較〜
「どの産地の豆がおすすめですか?」
コーヒーが好きになってくると、よくいただくこの質問。
パッケージに書かれた“エチオピア”や“コロンビア”という国名が、
ただの地名ではなく、味の個性を語るヒントだと気づいたとき、
コーヒーの世界がぐっと面白くなります。
今回は、よく目にする3つの産地にしぼって、
「実際、なにがどう違うの?」という疑問にお応えしていきます。
⚫︎エチオピア:香りの花束、果実のような味わい
エチオピアはコーヒー発祥の地。
標高が高く、野生のコーヒーが今も多く残る国です。
味の特徴としては、華やかな香り(ジャスミン、ベルガモット、白桃など)、明るい酸味と甘さのある後味、軽やかで透明感のある質感が挙げられます。
「香りを楽しむならまずこれ」と言われることも多く、
特に**ナチュラル精製(果肉をつけたまま乾燥)**のものは、
まるで紅茶やワインのような風味に出会えることも。
こんな方におすすめ:
・フルーティな味が好きな方
・紅茶やアロマが好きな方
・酸味=「果実感」を楽しみたい方
⚫︎コロンビア:バランスの良さが光る、オールラウンダー
南米コロンビアは、コーヒー大国として有名な国のひとつ。
栽培地が広く、多様なマイクロロットも豊富です。
味の特徴としては、柑橘系の爽やかさとチョコのような甘さ、酸味とコクのバランスがとれた味わい、滑らかな口あたりでミルクとも好相性なことが挙げられます。
「これぞ王道のスペシャルティ」と呼ばれることもあり、
浅煎り〜中煎りでそのポテンシャルが最もよく現れます。
こんな方におすすめ:
・クセのない味で飲みやすさ重視の方
・酸味と苦味のちょうどよいバランスを求める方
・ミルクとも合わせて楽しみたい方
⚫︎インドネシア:深みと個性が光る、大地の味わい
インドネシア(特にスマトラ島)は、個性的な風味で知られる産地。
“スマトラ式”と呼ばれる独自の精製方法も特徴的です。
味の特徴としては、土や森を思わせるアーシーな香り、ハーブやスパイス、ダークチョコのような風味、そして重厚でとろりとした質感が挙げられ、コクと深みが際立ちます。
とくに中深煎り〜深煎りにすることで、インドネシアらしさが際立ちます。
こんな方におすすめ:
・深煎りの香ばしさが好きな方
・しっかりとした飲みごたえを求める方
・苦味をポジティブに楽しめる方
実は「正解」はありません
コーヒーの味わいは、産地だけで決まるものではなく、
精製方法・品種・焙煎度・抽出方法などによっても大きく変わります。
それでも「どこで育った豆か」は、やはり味の“土台”。
そこに注目することで、選ぶ楽しみがぐっと広がります。
まずは3つの産地の豆を同じ焙煎度・同じ淹れ方で試してみるのがおすすめ。
きっとあなたの“好みの軸”が見えてくるはずです。
おわりに 〜あなたの“好き”を育てよう〜
今回は3つの産地をやさしく比べてみましたが、
豆の世界はもっともっと広がっています。
「なんとなく飲んでいた1杯」が、
「今日はこの香りを楽しみたいからこの産地にしよう」
「まだ飲んだことのないこの国のコーヒーにしてみよう」
そんなふうに、日々のコーヒーがちょっと特別になるきっかけになれたら嬉しいです。
パペルブルグの店頭やオンラインでも、
それぞれの個性を持った豆をご用意しています。
気になった方は、お気軽にご相談くださいね。